2009年11月7日土曜日

こばとらじお第38回は、シングルトーンの魅力。




 おはようございます。こばとは「4,099」が大好きです。ブルーノートの4,099のことで、グラント・グリーンのカルテットでの一枚。「SUNDAY MORNIN'」というタイトルが付いています。「MORNIN'」というのは「おはよう」というスマイルではなくて、「お祈り」のこと。レコードカバーのデザインもこざっぱりしていて、教会に集まっている親しいお友達にむけている笑顔のように感じさせています。


 ジャズの花形は、サックスやラッパ、ピアノにヴァイブにドラムスと来てベースとなるほどに嗜好が渋いというレベルゲージがジャズ・ファンにはあるような感じがしています。ジャズのレコードのコレクターでも、ギターのレコードに関心を持って下さる方は珍しい。
 ジャズではトランペット、サキソフォンといったリード楽器のグループ。ドラムス、ベース、ギターはリズムセクションに属するグループ。どちらにもなり得るし、ソロでも成立しているピアノがその間に三つにわけることが出来ます。
 ジャズの愛好家もその三つに分かれているようで、オーディオマニアでもギターのレコードをあれこれと試している向きは少ないように感じます。総じて、ジャズ・ギターのレコードは数枚あればいいかなあと言う思いのジャズ愛好家が多いのではないかしら。
 ロックではギターが花形であるのに対して、ジャズ・ギターはホームウォーミングな印象です。クラシックでもギターはホーム・クラシカルの枠を出ていないみたいです。
 クラシックでは技巧、ロックでも早弾きなどに注目が行きますが、グラント・グリーンのシングルトーン(シングル・ノート)には渋みではなくとてもファンキー。もちろん技巧が魅力のジャズ・ギタリストはたくさんいます。でものりだけではなく、クラシック音楽に馴染んだ耳を楽しませるオーディオ的歓びがグラント・グリーンを聴くと享受できる。








 1音ですぐにグラント・グリーンのトーンだと分かるし、渋みと言うよりもポーンと弾かれて消えていく短い音が虹色に変化していきます。幻想的であたたかみあるところがこばとは好きです。






 ブルーノートのレコードは4,100番台は名盤の目白押し。4,100番台は全て聴いている愛好家は多いことでしょう。然しそれに先駆ける4,099盤のこの一枚。こばとは4,100番台の華やかな成功を祈るような位置づけに感じています。今日の60分の選曲には、このレコードの最後に収まっている「So What」を軸としています。マイルス・デイビスの名演奏で有名な曲ですが、グラント・グリーンのギターがホーンのように聴こえます。ブラックなファンクがあって、マイルスの「So What」が古典に聴こえます。















Grant Green : Guiter
ジャズ・ジャイアンツ 第2回

  1. Ain't It Funky Now 9:56
  2. Betcha by Golly, Wow 7:37 17:33
  3. Maybe Tomorrow 4:57 22:30
  4. A Walk in the Night 6:52 29:22
  5. Mozart Symphony #40 / Love on a Two Way Street 8:55 38:17
  6. California Green 6:27 44:44
  7. So What 9:50 54:34
  8. Dracula 5:55 60:29

1 Comment:

  1. Mustangman said...
    凄く良かったです。ギターの持つ音の良さが浮き出るようなサウンド。ブルースでもない、単音のフレーズいいですね。

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